【剣道あるある】かかり稽古のツラさは何故なかなか伝わらないのか?

剣道豆知識(雑)

小手は籠手とも書く。

 

どうも。

マッドネス柳田です。

 

実はこう見えて小学1年生から高校2年生まで剣道をやっていました。

 

(何故、高校2年生という中途半端なタイミングまでなのか?

 

というツッコミはお察しの通りなので控えていただきたい。)

 

別に出身が強豪校でもなく、輝かしい成績も何も残したことがない、、。

いたって平凡な、どこにでもいる"剣道部員"だったのですが、、、。

 

そんないたって平凡な剣道部員だった僕ですら疑問に思うことがあります、、。

 

何故「かかり稽古」のツラさがなかなか伝わらないのか?!

 

これ結構【剣道あるある】じゃないですか?

 

正直な話

めちゃくちゃキッツい

 

いや、もちろん他の稽古でもキツイのは山のようにあるんですけど

 

ベタなとこだと、それはズバリ

「かかり稽古」

 

そんな「かかり稽古」のキツさが伝わらない理由として、よく聞くのが

 

「見た感じ、そうでもなくない?」

 

「俺らの方がキツイ(意味不明)」

 

などなど。

そこで今回!

実体験や、あまり知られていない剣道のルールも解説しつつ

 

何故キツいのか?

分かりやすくお伝えしていけたらと思います……。

 

 

その①

【ほぼ無呼吸運動でほぼ全力ダッシュ

 

そもそも「かかり稽古」とはなんぞや?

ていうか剣道って、そんな知らない…

 

という方のために解説を。

 

まず竹刀について。

実は年齢に沿って竹刀の重量も長さも規定があります

 

つまりいくつになっても

それなりの重さがあるように出来ています。

竹刀って、思ったより軽くないんですよね。

 

それと防具。

それなりに重量あります。(超アバウト)

 

色々と身体に身につけて行うスポーツや武道の中でも、上位に入る重さです。

 

そんなメガトン級の格好で竹刀を

超高速でビュンビュン振り回しながら

受け手(素立ちと呼びます)に打ち込み

打ち込んだ後、駆け抜けてまた打ち込み、、、。

この無限ループをひたすらやるのを

「かかり稽古」と呼びます。

 

この無限ループで、少しでもゆったりまったりすると

素立ち、監督から熱烈な闘魂注入をされます。

 

かかり稽古中は一瞬でも気を抜くことは出来ません。

打ち込んでる時

駆け抜ける時

ターンしてまた打ち込む時

全て全力です。

 

こうやって書き出しただけでも

運動量や内容として見る限り、充分キツそうですが…

 

いや、キツイよ?笑

さてさて

ここで皆さんが気になるのは

運動量はなんとなく分かるとして

なぜ無呼吸なのか?

というとこ。

 

まず答えるとするなら

動きながら発声もしているため

 

俗に言う「面!!」や「胴!!」とか言うアレですね。

全力で全身を動かしながら声も出す

 

ちなみに何故、発声が必要なのか?

これは剣道のルールで

打突をする際に心技一体でなければ有効打突とならない。

というのが理由にあります。

 

剣道において、有効打突とする条件は"心技一体であること"

 

これを分かりやすく噛み砕くと

①打突部位を正確に打っているか

②打突のタイミングやポイントをきちんと抑えているか

③気持ち、気迫はこもっているか

 

ということになります。

 

主にこの③を満たしているかの判断基準が、この発声につながっている訳です。

 

※なかなか見る機会はないですが、試合では、無言で面を打ったら当たっていても無効です。タイミングやポイントを抑えていなければいくら打って当たっていても無効です。

 

いやいや、息くらい上手くやれば別にそこまで、、、。

 

聞いたことがある人は分かると思いますが、そんな生易しい発声の仕方じゃないんです………。

 

 

「メエエエエエェェェエェエエェエ!!!!!!!!!!!!!!!!!ンンンンンンッ!!!」(面〜!)

 

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「ドゥオッ!!ドゥォッ!!ドオオオォオゥオオオオオオオ!!!!!!!!」(胴〜!)

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ほぼ奇声です。

 

気合が伝われば幸いです。

と言わんばかりに。

 

とても人間から出てるとは思えないような声を上げます。

例えそれが可愛い女の子剣士であっても。

 

更にその奇声は打突していない時も出しっ放しです。

ヤーーーーーー!とか

キェァーーーーー!とか

 

 

なんでかって?

気合です。

 

気合が足りていない人=やる気がない

そんな人は永遠に終わらせてもらえません。

 

話が脱線しましたが

そもそも

大声を上げながら全力で動き回り続けて

果たしてどれだけ息が持つでしょうか?

 

息が苦しいから一旦休憩、、

なんてものはありません。

既にキツイ、、

 

その②

【かかり稽古のかかる側は絶対的弱者】

先程 説明の際に出てきましたが

かかり稽古は

かかる側(かかり手)受ける側(素立ち)

という構図になります。

 

そしてこの構図で一通り、かかり手が終わった後に入れ替えで交代となります。

 

交互にやったり、お互い同時に打ち合う"相がかり"稽古など、バージョンも色々ありますがここでは割愛させていただきます。

 

この時、素立ちの役目として

 

  • 何を打たせるか(面、小手、胴、組み合わせ等)
  • どう打たせるか(連発か、走らせるか)
  • どれくらい打たせるか(長さ)
  • どのくらいシバくか(基本に忠実か、とにかくスパルタか)

 

というように

かかり手を煮るなり焼くなり好きに出来る立場にあります

 

また、長さや回数は監督が決める場合も多いです。

 

つまり、かかり手は全力でかかる以外に選択肢も何も持たされていないのです。

 

ちょっと、、疲れた、

ちょっと、タイム、、。

駄目です。

残念ながら貴方は全力で走り抜ける以外に選択肢はないのです。

 

ちなみにですが

  • 稽古中、ケガをした
  • どうしてもトイレに行きたい
  • 防具に乱れが生じた

などの場合は例外です。

 

ただし、サボりは一発でバレます

 

そこは監督も素立ちもかかり稽古の経験者。

辛さも分かればサボりたい気持ちもよ〜〜く分かっています。

 

特にトイレなどで一時離脱した場合は

サボりじゃなくても抜けた分の回数を1人だけやらされるか

サボりと判断された場合は稽古量が少なくとも倍になると思った方がいいです。

もうダメぇ…

 

その③

【いつ終わるか分からない恐怖】

 

かかり稽古というのは

何秒 × 何回で終了。

という形式が多いですが、、

 

実のところ

監督、素立ちのさじ加減で

終わりが告げられるまで終われません。

 

何秒 × 回数が∞

時には

時間も∞ × 回数も∞

が殆どです。

 

監督が

「たまにはこのまま倒れるまでやってみようかな?☺️💢」

と思えば

永遠に終わらない訳です。

 

マジで。

_:(´ཀ`」 ∠):

 

【終わりに】

いかがでしたでしょうか。

僕はこれを書いてて思い出し疲労が半端じゃないです。具合悪い。

 

これを読んだあなたにお聞きします。

 

あなたは、いつ終わるか分からないまま全力で叫びながら全力疾走が出来ますか?

 

いつ終わるか分からないって…

流石に常識の範囲内で終わるでしょ…

そこまでキツイなら…

 

まぁ、キツさが伝わらないので。

 

いつ終わるんでしょうかね?…

 

 

なんてね。

 

以上、高校3年生からはボランティア部

 

マッドネス柳田でした。